体育あそび 〜生きる力を育てる〜 |
我々人間にとって最も大切なことは、身体が健全であるということである。よく「健全なる精神は健全なる身体に宿る」といわれるが、身体が健全であればこそ、人はみな豊かな精神生活を営むことができるでしょうし、目標や価値を実現することも可能となるのです。健全な身体をもつということは、人間がたくましく生きるための基本的な条件であると言えるでしょう。そこで、乳・幼児期からの適正な運動による身体づくりが望まれるのです。 生き物として生まれると必ず「あそび」に出会います。イヌが自分のシッポを追いかけてクルクル回ったり、ネコ同士じゃれ合ったり、イルカが船を追いかけたり・・・。遊びの中で得るものは非常に多く、人間も同様にあそびから生活力がつき、日々成長を続けています。その「あそび」が運動能力を高め、健全な肉体を形成することになります。 平衡系の運動あそび(2歳ぐらいまで) @準備体操----------きの子体操(曲に合わせて楽しく踊りましょう)。 A片足バランス--------両手を水平で・両手を腰で・閉眼で。 B跳躍--------------方向変換(スピードを変える)。 C早起き競争---------伏臥で・仰臥で(立ち上がった際、手を上げ声を出す)。 Dお尻バランス--------座位で両膝を上げ、両手水平にお尻でバランスをとる。 E地震ゲーム---------ウレタンマットに立ち揺らす。 Fバービー体操-------1でカエル、2で両足を伸ばし、3でカエル、4で立つ。 G忍者立ち-----------腕を振って正座から立つ(跳ね上がりながら方向変換)。 Hジャンプくぐり--------ゴムを移動させ、ゴムに触らないよう動く。 I2人組バランス-------W字バランス・キラキラ星 移動系の運動あそび(3〜4歳ぐらい) @ワニさん競争------這う姿勢で目的地へ移動する(2人組)。 A仲良し歩き--------横に並んで・縦に並んで(2人組)。※笛の合図で交替 Bリズム歩き--------123歩き。ケンパ・スキップ・ギャロップ C仲良しかけっこ-----握手して来る・頭をよしよしして来る・手をつないで来る。 Dトンネルくぐり------10数える内に指示するトンネルをくぐって来る。 Eしっぽ取り---------タオルをしっぽの代わりにし、取り合う。 F怪獣を起こせ------怪獣が起きたら捕まらないように陣地へ逃げる。 Gボール当て鬼------ボールが当たったら鬼となる。 Hチームジャンケン---5チームに分れ、代表者とジャンケンをし、早く全員が勝ったチームが優勝。 Iジャンケン電車-----号令に合わせてジャンケンをし、一本の電車になる。 ※幼児期に習得する運動技能の重要性として @生きるための必要な活動、運動のすべての基本となる。 A運動あそびを通して、運動技能を身につける過程で、認知・情緒・社会性 などの発達が促進される。 B運動技能の習得について、準備状態が最も整っているのが幼児期である。 操作系の運動あそび(5〜6歳ぐらい) @玉運び------------紅白の玉を走って運ぶ。 ※リングの中に A玉乗せ------------紅白の玉を開いた傘に投げて乗せる。 B玉かたづけ---------赤白でかたづけ競争をする。 Cチューブ体操-------電車ごっこ・走る練習・長座で引き合う。 D風船あそび---------手でつく・足でつく・頭でつく・2人でつく・チームで風船運び。 Eボールあそび-------ドリブル・ボールタッチ・移動ドリブル・キャッチボール・ドッジボール。 Fロープあそび-------昔なつかし大縄とびをする。 G網あそび-----------2人で1人を引っ張ってくる。 心身一体 人間は年齢を問わず遊びが好きである。特に子どもは遊びが大好きであり、子どもの成長発達は、この遊びによって促進されるのです。 遊びは運動面の活動であるから、子どもの運動能力は遊びの過程で開発環境的刺激を受けることにより、やがて自らの意志と判断によって行う随意運動へと進展していく。 幼児体育では、主として持久力・調整力・協応性・柔軟性・敏捷性・平衡性などの運動能力を高めることを目的としているが、身長・体重・体格・姿勢など形態的側面の発達も重視する必要がある。 したがって、幼児体育は心身一体の活動であって、子どもの調和的発達を促すものである。言い換えれば、最初に述べたように幼児体育の重要性は、子どもの全人格の発達基盤を確立するという役割を担っているのです。 (記=武田博之) |